新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した妊婦の帝王切開の麻酔経験─8例の報告
当院では,新型コロナウイルス感染症に罹患した妊婦の分娩方法として,手術室での帝王切開を選択し,これまでに8例を経験した.年齢は27〜37歳,妊娠週数は36〜40週で,陣痛発来での緊急手術が4例であった.7例で発熱などの症状を認め,術前の抗体療法は4例で行った.全例を硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔で管理し,3例で術中にシバリングを認めた.2例で術後肺炎を認めたが,内科的治療で軽快し,母体の入院期間は10〜15日間であった.児に新型コロナウイルス感染症の陽性例はなく,感染防御策により,医療従事者への感染拡大はなかった....
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 43; no. 1; pp. 20 - 24 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.01.2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.43.20 |
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Summary: | 当院では,新型コロナウイルス感染症に罹患した妊婦の分娩方法として,手術室での帝王切開を選択し,これまでに8例を経験した.年齢は27〜37歳,妊娠週数は36〜40週で,陣痛発来での緊急手術が4例であった.7例で発熱などの症状を認め,術前の抗体療法は4例で行った.全例を硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔で管理し,3例で術中にシバリングを認めた.2例で術後肺炎を認めたが,内科的治療で軽快し,母体の入院期間は10〜15日間であった.児に新型コロナウイルス感染症の陽性例はなく,感染防御策により,医療従事者への感染拡大はなかった. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.43.20 |