アオジソ(オオバ)におけるシソサビダニとシソモザイク病の発生消長

シソサビダニとシソモザイク病の防除技術の開発のため,アオジソ(オオバ)葉上でのシソサビダニの発生消長と枝ごとのシソモザイク病の発病頻度を調査した。シソサビダニは,アオジソ漏生株で4月から6月に発生を確認し,その後,隣接した露地ほ場でも発生し,約3か月後には,約 50 m離れた施設ほ場でも発生した。各ほ場では,シソサビダニの発生盛期は,7月から10月で,シソモザイク病は,最初のシソサビダニの発生確認と前後して,7月から9月に急激に発病が拡がった。このため,屋外から施設へのシソサビダニの侵入と,極めて低密度のシソサビダニによるシソモザイク病の伝搬の可能性が示唆された。枝ごとのシソモザイク病の発病頻...

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Published in関西病虫害研究会報 Vol. 60; pp. 23 - 29
Main Authors 堀川, 英則, 伊藤, 涼太郎, 大橋, 博子, 恒川, 健太, 市川, 耕治, 加藤, 晋朗, 三宅, 律幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 関西病虫害研究会 31.05.2018
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Summary:シソサビダニとシソモザイク病の防除技術の開発のため,アオジソ(オオバ)葉上でのシソサビダニの発生消長と枝ごとのシソモザイク病の発病頻度を調査した。シソサビダニは,アオジソ漏生株で4月から6月に発生を確認し,その後,隣接した露地ほ場でも発生し,約3か月後には,約 50 m離れた施設ほ場でも発生した。各ほ場では,シソサビダニの発生盛期は,7月から10月で,シソモザイク病は,最初のシソサビダニの発生確認と前後して,7月から9月に急激に発病が拡がった。このため,屋外から施設へのシソサビダニの侵入と,極めて低密度のシソサビダニによるシソモザイク病の伝搬の可能性が示唆された。枝ごとのシソモザイク病の発病頻度は,保毒虫放飼後40日目には急増したが,放飼後69日目には減少し,放飼後96日目でも同様で,発病後に新たに発生した枝でシソモザイク病が消失する現象が確認された。しかし,見かけ上の健全枝から発生した枝で再び発病する事例があり,見かけ上の健全枝でもシソモザイク病の感染は続き,伝染源となると考えられた。これらにより,シソサビダニとシソモザイク病の防除には,伝染源となりうる施設内外の発病したシソ類の除去,そして,シソサビダニ発生始期前の防除が重要であると考えられた。
ISSN:0387-1002
1883-6291
DOI:10.4165/kapps.60.23