表層崩壊後のレガシー活用緑化を植物機能形質に注目して評価する

地域生態系保全に配慮した緑化手法として,レガシー活用緑化が提案されている。この手法は,自然撹乱後に残された生物学的遺産(レガシー)が生態的レジリエンスを高める効果を利用して植生回復を図るものである。本研究では,胆振東部地震で発生した表層崩壊地の一部を対象として実験的に採用されたレガシー活用緑化を,生態系機能の回復の観点から,植物機能形質に注目して評価した。結果,植栽処理及びマット処理により,機能的多様度が向上することが明らかになった。侵入・定着に影響する種子重は,植栽処理及びマット処理により大きくなる傾向がみられた。緑葉窒素濃度の処理による変化は,落葉分解速度の回復に寄与するほどではなかった。...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 50; no. 1; pp. 37 - 42
Main Authors 森本, 淳子, 饗庭, 正寛, 堀田, 亘, 中村, 太士, 本郷, 悠夏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 31.08.2024
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.50.37

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Summary:地域生態系保全に配慮した緑化手法として,レガシー活用緑化が提案されている。この手法は,自然撹乱後に残された生物学的遺産(レガシー)が生態的レジリエンスを高める効果を利用して植生回復を図るものである。本研究では,胆振東部地震で発生した表層崩壊地の一部を対象として実験的に採用されたレガシー活用緑化を,生態系機能の回復の観点から,植物機能形質に注目して評価した。結果,植栽処理及びマット処理により,機能的多様度が向上することが明らかになった。侵入・定着に影響する種子重は,植栽処理及びマット処理により大きくなる傾向がみられた。緑葉窒素濃度の処理による変化は,落葉分解速度の回復に寄与するほどではなかった。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.50.37