リトラクションアームを用いない4ポートロボット支援仙骨腟固定術(RSC)の要点と手術成績
リトラクションアームを使用しない4ポートでのロボット支援仙骨腟固定術(RSC)を導入した。カメラは臍から挿入し、臍から7cm左右に8mmインストゥルメントカニューラ、右側腹部(右側カニューラ挿入部から7cm外側)に助手用13mmポートを設置し手術を施行した。釣り糸や子宮授動用器具、効果的な助手の使用により101例のRSCを安全に施行することができた。原則としてフランス式ダブルメッシュRSCを行ったが4例では子宮摘出後や腹腔内癒着による手術時間延長を考慮し、前壁のみのシングルメッシュRSCを行った。 手術時間183分、コンソール時間131分、尿道カテーテル留置期間は平均1.9日、術後入院日数は平...
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Published in | 日本女性骨盤底医学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 26 - 32 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本女性骨盤底医学会
19.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2187-5669 2434-8996 |
DOI | 10.32310/jfpfm.21.1_26 |
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Summary: | リトラクションアームを使用しない4ポートでのロボット支援仙骨腟固定術(RSC)を導入した。カメラは臍から挿入し、臍から7cm左右に8mmインストゥルメントカニューラ、右側腹部(右側カニューラ挿入部から7cm外側)に助手用13mmポートを設置し手術を施行した。釣り糸や子宮授動用器具、効果的な助手の使用により101例のRSCを安全に施行することができた。原則としてフランス式ダブルメッシュRSCを行ったが4例では子宮摘出後や腹腔内癒着による手術時間延長を考慮し、前壁のみのシングルメッシュRSCを行った。 手術時間183分、コンソール時間131分、尿道カテーテル留置期間は平均1.9日、術後入院日数は平均6.9日であった。残尿量は術前後で有意差はなく、ウロフローメトリー上、排尿状態の悪化は見られなかった。アンケートによる評価では下部尿路症状や過活動膀胱症状、尿失禁、さらに性器脱に関する心理的問題も有意に改善した。合併症として臍部創感染は4例、術後腹圧性尿失禁の増悪は4例でみられ、うち2例は中部尿道スリング手術を施行した。POP-Qステージ2以上の再発が3例に見られ、2例に再RSCを行った。術後腹壁瘢痕ヘルニアによる修復術が1例で行われた。当院の4ポートRSCは侵襲性、整容性やコストの面からも有用と考える。 |
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ISSN: | 2187-5669 2434-8996 |
DOI: | 10.32310/jfpfm.21.1_26 |