大阪府内の河川水中におけるネオニコチノイド系農薬濃度の季節変動の把握及び生態リスク評価

大阪府内の農業地帯を流下する河川, 下水処理水の寄与が大きい河川, 及び大阪府内各地域の主な河川において, ネオニコチノイド系農薬及びフィプロニルの実態調査を行った。その結果, ニテンピラムとチアクロプリドを除く農薬が全ての調査地点で検出された。イミダクロプリドの濃度は6月に, ジノテフランの濃度は8~9月に顕著に上昇しており, これらは水稲におけるそれぞれの農薬使用時期と一致した。今回の調査で検出された農薬濃度は, 農薬登録基準および環境中予測濃度 (PEC) よりも低かったが, 種の感受性分布 (SSD) を用いた生態系への複合影響評価を行ったところ, 農業地帯の河川では5月下旬から6月下...

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Published in水環境学会誌 Vol. 42; no. 6; pp. 227 - 284
Main Authors 大山, 浩司, 矢吹, 芳教, 伴野, 有彩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2019
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Summary:大阪府内の農業地帯を流下する河川, 下水処理水の寄与が大きい河川, 及び大阪府内各地域の主な河川において, ネオニコチノイド系農薬及びフィプロニルの実態調査を行った。その結果, ニテンピラムとチアクロプリドを除く農薬が全ての調査地点で検出された。イミダクロプリドの濃度は6月に, ジノテフランの濃度は8~9月に顕著に上昇しており, これらは水稲におけるそれぞれの農薬使用時期と一致した。今回の調査で検出された農薬濃度は, 農薬登録基準および環境中予測濃度 (PEC) よりも低かったが, 種の感受性分布 (SSD) を用いた生態系への複合影響評価を行ったところ, 農業地帯の河川では5月下旬から6月下旬にかけて, EU等で無影響の基準とされている5パーセントよりも一時的に高くなると算出された。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.42.227