エゾライチョウBonasa bonasia vicinitas Riley, 1915から得られた寄生蠕虫類

1995年から2009年の間に北海道内およびロシアで採集されたエゾライチョウ18個体の寄生蠕虫類保有状況を調査した。なお,北海道個体群では初めての調査となる。調べた9個体から線虫3種(Heterakis gallinarum, Aonchotheca (Avesaonchotheca) caudinflata, Subuluridae gen. sp.)および吸虫1種(Leucochliridium sp.)が検出された。スブルラ科線虫の寄生がこの鳥種で認められたのは今回初めてであった。また,検出された線虫類はミミズ類,吸虫類はモノアラガイ類がそれぞれ中間宿主であるため,これらを摂食することで...

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Published in日本野生動物医学会誌 Vol. 17; no. 1; pp. 21 - 25
Main Authors 伊藤, 寛恵, 吉野, 智生, 遠藤, 大二, 藤巻, 裕蔵, 中村, 茂, 中田, 達哉, 長, 雄一, 浅川, 満彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本野生動物医学会 2012
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Summary:1995年から2009年の間に北海道内およびロシアで採集されたエゾライチョウ18個体の寄生蠕虫類保有状況を調査した。なお,北海道個体群では初めての調査となる。調べた9個体から線虫3種(Heterakis gallinarum, Aonchotheca (Avesaonchotheca) caudinflata, Subuluridae gen. sp.)および吸虫1種(Leucochliridium sp.)が検出された。スブルラ科線虫の寄生がこの鳥種で認められたのは今回初めてであった。また,検出された線虫類はミミズ類,吸虫類はモノアラガイ類がそれぞれ中間宿主であるため,これらを摂食することで感染したと考えられた。
ISSN:1342-6133
2185-744X
DOI:10.5686/jjzwm.17.21