遊離前外側大腿皮弁による口腔再建術(原著)

前外側大腿皮弁(Anterolateral Thigh Flap:ALT)は穿通枝皮弁で,比較的薄くしなやかで口腔再建術に適した皮弁である。組織量は前腕皮弁と腹直筋皮弁のほぼ中間であり,ALTの選択肢を持つことにより患者の体格,欠損量に適合した的確な再建が可能となる。皮弁採取創は一期的縫縮が可能で,比較的露出されない部位であるため,整容的にも認容される。穿通枝皮弁であるため皮弁挙上には技術を要するが,血管のバリエーションを含めた解剖の熟知,3D-CTAやカラードップラーなどの術前検査,拡大視による挙上,などにより安全・確実な挙上は可能である。口腔再建に際し選択肢の1つとして備えておく必要のある...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 160 - 165
Main Authors 林, 信, 上田, 倫弘, 山下, 徹郎, 矢島, 和宜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2013
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Summary:前外側大腿皮弁(Anterolateral Thigh Flap:ALT)は穿通枝皮弁で,比較的薄くしなやかで口腔再建術に適した皮弁である。組織量は前腕皮弁と腹直筋皮弁のほぼ中間であり,ALTの選択肢を持つことにより患者の体格,欠損量に適合した的確な再建が可能となる。皮弁採取創は一期的縫縮が可能で,比較的露出されない部位であるため,整容的にも認容される。穿通枝皮弁であるため皮弁挙上には技術を要するが,血管のバリエーションを含めた解剖の熟知,3D-CTAやカラードップラーなどの術前検査,拡大視による挙上,などにより安全・確実な挙上は可能である。口腔再建に際し選択肢の1つとして備えておく必要のある皮弁であると考える。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.25.160