従来のきざみ食喫食中の入院患者における新たに導入した嚥下調整食学会分類2021コード4との献立別の喫食量比較:前後比較研究

当院の嚥下機能の低下した人に提供する形態調整食は、きざみ食やミキサー食を主体としていた。今回、『日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021』(以下、学会分類)等の基準に準じた食形態に変更し、従来の形態と学会分類の形態で献立別の喫食量の比較を行った。202X年4月から同年9月まで当院に入院し、きざみ食喫食者を対象とした。きざみ食と学会分類コード4の各5種類の主菜の類似献立を作成し、きざみ食を提供した2週間後に学会分類コード4を提供して喫食量を比較した。対象者の平均年齢は81.4歳で、男性11人、女性23人であった。コード4の喫食量は、5献立のうち2献立で有意に増加した。摂取エネルギ...

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Published in日本栄養士会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 283 - 291
Main Authors 把田, 信恵, 藤本, 里絵, 濵野, 奈美, 光田, 千香, 森田, 智恵, 佐々木, 友佳, 栢下, 淳, 角谷, 和子, 澤井, 友愛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2025
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.68.283

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Summary:当院の嚥下機能の低下した人に提供する形態調整食は、きざみ食やミキサー食を主体としていた。今回、『日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021』(以下、学会分類)等の基準に準じた食形態に変更し、従来の形態と学会分類の形態で献立別の喫食量の比較を行った。202X年4月から同年9月まで当院に入院し、きざみ食喫食者を対象とした。きざみ食と学会分類コード4の各5種類の主菜の類似献立を作成し、きざみ食を提供した2週間後に学会分類コード4を提供して喫食量を比較した。対象者の平均年齢は81.4歳で、男性11人、女性23人であった。コード4の喫食量は、5献立のうち2献立で有意に増加した。摂取エネルギー量は2献立が増加、摂取たんぱく質量では、2献立に有意な増加があった一方で、1献立に減少が見られた。嚥下調整食を提供する場合、喫食量および摂取栄養量を増加させるためには、摂取しやすいような形態にするため、調理の工夫や改良を行い、献立内の栄養量を十分に確保することが必要と考えられる。一部の献立では、摂取栄養量が増加する可能性が示唆されるが、より長期間の食事提供により摂取栄養量の変化の検証が必要である。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.68.283