子宮脱に対するNTR(native tissue repair)と術後の腟脱予防の工夫-子宮頸管部側方のCTZ(cervical triangle zone)の作成と修復から

筆者は数年来、腹腔鏡下子宮全摘出術TLH (total laparoscopic hysterectomy)における子宮頸管部側方処理は、Aldridge 法に準じた手法で行ってきた。その際、超音波凝固切開装置による筋膜内切離で、内子宮口部の動静脈部を頂点とし、腟壁に近づく膀胱子宮靭帯部から仙骨子宮靭帯部を底辺とする三角形が形成されることに着目し、その部をCTZ (cervical triangle zone)と命名した。このCTZ の作成が尿管を遠ざけることに繋がり、切離した靭帯部の縫縮が、子宮脱の治療としてのNTR (native tissue repair)や術後の腟脱予防にも繋がる術式...

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Published in日本女性骨盤底医学会誌 Vol. 16; no. 1; pp. 15 - 19
Main Authors 伊熊, 健一郎, 丸尾, 伸之, 三上, 千尋, 石原, あゆみ, 柴田, 綾子, 前澤, 陽子, 陌間, 亮一, 田中, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本女性骨盤底医学会 20.07.2019
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Summary:筆者は数年来、腹腔鏡下子宮全摘出術TLH (total laparoscopic hysterectomy)における子宮頸管部側方処理は、Aldridge 法に準じた手法で行ってきた。その際、超音波凝固切開装置による筋膜内切離で、内子宮口部の動静脈部を頂点とし、腟壁に近づく膀胱子宮靭帯部から仙骨子宮靭帯部を底辺とする三角形が形成されることに着目し、その部をCTZ (cervical triangle zone)と命名した。このCTZ の作成が尿管を遠ざけることに繋がり、切離した靭帯部の縫縮が、子宮脱の治療としてのNTR (native tissue repair)や術後の腟脱予防にも繋がる術式になる可能性があり、報告する。
ISSN:2187-5669
2434-8996
DOI:10.32310/jfpfm.16.1_15