愛知県におけるトマト・イチゴ等灰色かび病菌のQoI・SDHI剤等16殺菌剤に対する感受性検定結果

愛知県内のトマト,イチゴ等から2021年から2022年に採取した灰色かび病菌54菌株に対し,QoI剤・SDHI剤等を含む殺菌剤16剤について,インゲンマメ初生葉を用いた感受性検定を行った。生物検定の結果,QoI剤のアゾキシストロビンの耐性菌株数は22菌株(41%)で,ピリベンカルブは17菌株(31%)であった。SDHI剤は,ペンチオピラドが3菌株(6%),イソフェタミドが2菌株(4%),ピラジフルミドで同じく2菌株(4%)が耐性菌であった。QoI剤とSDHI剤の混合剤であるピラクロストロビン・ボスカリドは23菌株(43%)と最も耐性菌株の割合が高かった。このほか,ジエトフェンカルブ・チオファネ...

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Published in関西病虫害研究会報 Vol. 66; pp. 37 - 45
Main Authors 堀川, 英則, 石井, 直樹, 恒川, 健太, 石川, 博司, 内田, 祐太, 小林, 克弘, 加藤, 賢治, 松崎, 聖史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 関西病虫害研究会 01.06.2024
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Summary:愛知県内のトマト,イチゴ等から2021年から2022年に採取した灰色かび病菌54菌株に対し,QoI剤・SDHI剤等を含む殺菌剤16剤について,インゲンマメ初生葉を用いた感受性検定を行った。生物検定の結果,QoI剤のアゾキシストロビンの耐性菌株数は22菌株(41%)で,ピリベンカルブは17菌株(31%)であった。SDHI剤は,ペンチオピラドが3菌株(6%),イソフェタミドが2菌株(4%),ピラジフルミドで同じく2菌株(4%)が耐性菌であった。QoI剤とSDHI剤の混合剤であるピラクロストロビン・ボスカリドは23菌株(43%)と最も耐性菌株の割合が高かった。このほか,ジエトフェンカルブ・チオファネートメチルで8菌株(15%)が耐性菌であることが判明した。また,病斑形成抑制率を用いた相関解析(スピアマンのρ)の結果,QoI剤ではピラクロストロビン・ボスカリドはアゾキシストロビン(ρ=0.68)とピリベンカルブ(ρ=0.62)と相関があった。SDHI剤ではペンチオピラドとイソフェタミド(ρ=0.5)で相関があった。これらにより,同一系統間の薬剤間において,本県での交叉耐性の発生が示唆された。
ISSN:0387-1002
1883-6291
DOI:10.4165/kapps.66.37