回復期リハビリテーション病棟高齢サルコペニア患者に対するBCAA高配合飲料および中鎖脂肪酸による筋肉量増強効果に関する準ランダム化比較試験

本研究は、回復期リハビリテーション病棟入院中の高齢サルコペニア患者に対し、リハビリテーション栄養に有効な栄養素として注目されるBCAAおよび中鎖脂肪酸による栄養強化を行い、主要評価項目を筋肉量、副次評価項目を栄養状態として検討した。2022年10月~2024年4月に入院された対象者を、入院順にコントロール群、BCAA群、中鎖脂肪酸群の3群に割り付けし8週間介入を行った。介入前背景においては3群間で有意差を認める項目はなかった。介入後の評価では、主要評価項目である筋肉量(四肢骨格筋指数)でコントロール群と比較しBCAA群、中鎖脂肪酸群のいずれも有意に改善した。副次評価項目については、コントロール...

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Published in日本栄養士会雑誌 Vol. 68; no. 6; pp. 346 - 352
Main Authors 田中, 月都, 平松, 義博, 柏木, 香菜子, 小野, 匠, 森山, 陽介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2025
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.68.346

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Summary:本研究は、回復期リハビリテーション病棟入院中の高齢サルコペニア患者に対し、リハビリテーション栄養に有効な栄養素として注目されるBCAAおよび中鎖脂肪酸による栄養強化を行い、主要評価項目を筋肉量、副次評価項目を栄養状態として検討した。2022年10月~2024年4月に入院された対象者を、入院順にコントロール群、BCAA群、中鎖脂肪酸群の3群に割り付けし8週間介入を行った。介入前背景においては3群間で有意差を認める項目はなかった。介入後の評価では、主要評価項目である筋肉量(四肢骨格筋指数)でコントロール群と比較しBCAA群、中鎖脂肪酸群のいずれも有意に改善した。副次評価項目については、コントロール群と比較しBCAA群でエネルギー摂取量、たんぱく質摂取量および体重差、血清Alb値において有意差を認め、GLIM基準により評価した低栄養の割合が低下した。中鎖脂肪酸においてはコントロール群と比較しエネルギー摂取量、体重差で有意差を認めた。BCAAおよび中鎖脂肪酸は筋肉量増強により栄養状態改善に寄与し、集中的にリハビリテーションを行う高齢サルコペニア患者への有効な栄養介入となる可能性が示唆された。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.68.346