デザインへの理解を深める探究型学習の手法に関する実践的研究( 2 )

本稿は,高校生がデザインの学習に取り組む際,地域と連携した探究型学習を行うことで,デザインへの理解がどの程度深まったかを明らかにすることを目的とした実践研究の継続及び成果報告である。本稿では,生徒のデザインへの理解の深まりの段階について検討を行った後,ソーシャルデザインの視点を取り入れ,高等学校普通科で実践可能な題材を考案,実践を行い,教育的効果を確認した。実践前後のアンケート及び生徒記述から分析を行った結果,生徒のデザインへの理解を深めることに一定の効果があることを改めて確認できた。一方で,デザインを自己表現と捉えてしまう生徒へ独自性と革新性の違いを浸透させる必要性と,「何が問題なのか」を探...

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Published in美術教育学:美術科教育学会誌 Vol. 46; pp. 207 - 223
Main Author 茂木, 祥宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 美術科教育学会 2025
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Summary:本稿は,高校生がデザインの学習に取り組む際,地域と連携した探究型学習を行うことで,デザインへの理解がどの程度深まったかを明らかにすることを目的とした実践研究の継続及び成果報告である。本稿では,生徒のデザインへの理解の深まりの段階について検討を行った後,ソーシャルデザインの視点を取り入れ,高等学校普通科で実践可能な題材を考案,実践を行い,教育的効果を確認した。実践前後のアンケート及び生徒記述から分析を行った結果,生徒のデザインへの理解を深めることに一定の効果があることを改めて確認できた。一方で,デザインを自己表現と捉えてしまう生徒へ独自性と革新性の違いを浸透させる必要性と,「何が問題なのか」を探究する時間と「デザイン領域の目的」に向けて探究する時間を両輪とした題材開発の必要性を考察した。
ISSN:0917-771X
2424-2497
DOI:10.24455/aaej.46.0_207