一酸化炭素中毒が関与して意識消失し重症熱中症から 重度DICに陥った多臓器不全の一救命例

DIC・多臓器不全を伴うⅣ度熱中症の症例を集学的治療で救命し得たので報告する. 患者は42歳男性, 某年6月真夏日の日中, COの配管修理中の意識障害でドクターヘリが要請された. 接触時より高度意識障害を認めSpCO 10%であったため, 気管挿管し搬送した. 来院後の血液ガス分析ではCO-Hbは検出されず, 膀胱温が40度を超えていたため, 病態の主座は熱中症と判断し, 体表冷却, 胃洗浄, 透析回路を用いた体外循環などで冷却した. 急性期DICスコアは6点で, トロンボモデュリン製剤, FFPの投与, サイトカイン除去を目的にCHDFを開始した. APACHEⅡスコアは35であった. 翌日...

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Published in日本救命医療学会雑誌 Vol. 39; pp. 27 - 30
Main Authors 勝木, 竜介, 寺島, 嗣明, 津田, 雅庸, 渡邉, 栄三, 石津, 啓介, 苛原, 隆之, 久下, 祐史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救命医療学会 2025
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ISSN1882-0581
2758-1055
DOI10.57329/jsccm.39.0_27

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Summary:DIC・多臓器不全を伴うⅣ度熱中症の症例を集学的治療で救命し得たので報告する. 患者は42歳男性, 某年6月真夏日の日中, COの配管修理中の意識障害でドクターヘリが要請された. 接触時より高度意識障害を認めSpCO 10%であったため, 気管挿管し搬送した. 来院後の血液ガス分析ではCO-Hbは検出されず, 膀胱温が40度を超えていたため, 病態の主座は熱中症と判断し, 体表冷却, 胃洗浄, 透析回路を用いた体外循環などで冷却した. 急性期DICスコアは6点で, トロンボモデュリン製剤, FFPの投与, サイトカイン除去を目的にCHDFを開始した. APACHEⅡスコアは35であった. 翌日DICが進行し, アンチトロンビン製剤, 血小板輸血を開始した. 以上, 集学的治療が奏功し, 第9病日に抜管, 第12病日にICU退室, 第26病日に血液浄化法を終了した. 歩行器での歩行が可能となるも, 小脳失調, 高次機能障害が残存し, 回復期病院へ転院となった.
ISSN:1882-0581
2758-1055
DOI:10.57329/jsccm.39.0_27