順天堂の三十有余年

昭和30年 (1955) に順天堂大学医学部に赴任してから34年を経過したが, この間の研究を博士論文を主として回顧した. 肝性昏睡についてはアンモニア代謝とアミノ酸代謝を研究し, 肝関連酵素としては, イソクエン脱水素酵素・ソルビット脱水素酵素・ピルビン酸脱水素酵素などについて研究し, 肝の色素移送としてはICGやBSPについて各種肝疾患, とくに体質性色素排泄異常症について研究し, 肝組織の細胞骨格蛋白では, 肝細胞のアクチンやミオシン, 伊東細胞のデスミンなどについて研究し, 胆汁うっ滞では毛細胆管周囲のマイクロフィラメントと収縮機構との関連について研究し, 薬剤性肝障害では臨床像や発症...

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Published in順天堂医学 Vol. 35; no. 2; pp. 161 - 166
Main Author 浪久, 利彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 1989
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Summary:昭和30年 (1955) に順天堂大学医学部に赴任してから34年を経過したが, この間の研究を博士論文を主として回顧した. 肝性昏睡についてはアンモニア代謝とアミノ酸代謝を研究し, 肝関連酵素としては, イソクエン脱水素酵素・ソルビット脱水素酵素・ピルビン酸脱水素酵素などについて研究し, 肝の色素移送としてはICGやBSPについて各種肝疾患, とくに体質性色素排泄異常症について研究し, 肝組織の細胞骨格蛋白では, 肝細胞のアクチンやミオシン, 伊東細胞のデスミンなどについて研究し, 胆汁うっ滞では毛細胆管周囲のマイクロフィラメントと収縮機構との関連について研究し, 薬剤性肝障害では臨床像や発症機構について研究し, 原発性胆汁性肝硬変では抗ミトコンドリア抗体の対応抗原蛋白を同定して合成した. これらの研究結果により54名の博士が誕生した.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.35.161