当院での腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)の成績
腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)は骨盤臓器脱の一般的な治療法になってきている。当院は2015 年3 月に開設されたが、開設当初よりLSC を施行してきた。今回当院におけるLSC の成績を報告する。 対象は2015 年3 月24 日から2019 年2 月28 日までに骨盤臓器脱のためにLSC を施行した529 症例で、年齢の平均値は64 歳、BMI の平均は22.3 であった。手術は4 ポートで行いWattiez の術式に準じて施行した。子宮は温存が12 例、亜全摘が477 例、全摘後が40 例であった。メッシュの挿入部位は、apical のみ固定が8 例、前壁のみが68 例、前後壁挿入が453...
Saved in:
Published in | 日本女性骨盤底医学会誌 Vol. 17; no. 1; pp. 54 - 59 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本女性骨盤底医学会
16.01.2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2187-5669 2434-8996 |
DOI | 10.32310/jfpfm.17.1_54 |
Cover
Summary: | 腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)は骨盤臓器脱の一般的な治療法になってきている。当院は2015 年3 月に開設されたが、開設当初よりLSC を施行してきた。今回当院におけるLSC の成績を報告する。 対象は2015 年3 月24 日から2019 年2 月28 日までに骨盤臓器脱のためにLSC を施行した529 症例で、年齢の平均値は64 歳、BMI の平均は22.3 であった。手術は4 ポートで行いWattiez の術式に準じて施行した。子宮は温存が12 例、亜全摘が477 例、全摘後が40 例であった。メッシュの挿入部位は、apical のみ固定が8 例、前壁のみが68 例、前後壁挿入が453 例であった。平均手術時間は163 分であり、出血量は16.1g であった。術中合併症として、膀胱損傷4 例、腟壁損傷5 例あり、術後合併症として尿管損傷、小腸損傷が各1 例、腸閉塞が2 例あった。排尿機能は質問票で有意に改善していた。術後3 ヶ月、1 年、2 年のPOP-Q Stage Ⅱ以上の再発は37 例(7%)、36 例(9.4%)、26(12.1%)であった。骨盤臓器脱の再手術として、TVM とLSC が各3 例施行された。術後の尿失禁に対し37 例でTVT が施行された。我々は短期間で多数の症例を経験することができた。術中・術後合併症も少なく安全に施行し、再手術が必要な再発も少なかったことから中期的にLSC が有用であることが示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 2187-5669 2434-8996 |
DOI: | 10.32310/jfpfm.17.1_54 |