腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓に対してEndoscopic Mini- or Less-open Sublay Operation(EMILOS)を施行した1例
症例は76歳女性。50年前に帝王切開術を受けた下腹部正中切開創部に,8年前から腹壁瘢痕ヘルニアを認めていた。突然の下腹部痛のため当院へ救急搬送された。腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓と診断して,緊急で小切開と内視鏡操作を併用して腹腔外にメッシュを留置するendoscopic mini- or less-open sublay operation(以下,EMILOS)を施行した。術後4日目に退院し,術後2年経過したが再発所見は認めていない。EMILOSは,小切開創部から直視下で嵌頓腸管の状態確認と還納が可能であり,そのまま内視鏡操作を併用して腹腔外に十分な大きさのメッシュを留置することができる点,腹腔内にメ...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 4; pp. 537 - 540 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.05.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.42.537 |
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Summary: | 症例は76歳女性。50年前に帝王切開術を受けた下腹部正中切開創部に,8年前から腹壁瘢痕ヘルニアを認めていた。突然の下腹部痛のため当院へ救急搬送された。腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓と診断して,緊急で小切開と内視鏡操作を併用して腹腔外にメッシュを留置するendoscopic mini- or less-open sublay operation(以下,EMILOS)を施行した。術後4日目に退院し,術後2年経過したが再発所見は認めていない。EMILOSは,小切開創部から直視下で嵌頓腸管の状態確認と還納が可能であり,そのまま内視鏡操作を併用して腹腔外に十分な大きさのメッシュを留置することができる点,腹腔内にメッシュを留置した場合の合併症である術後癒着や腸管への侵食に起因する術後腸閉塞などを回避できる点,タッキングデバイスによる術後疼痛を回避できる点で有用と考えられたので報告する。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.42.537 |