急性腹症で発症した若年女性(23歳)の副脾茎捻転の1例
症例は23歳,女性.突然の下腹部痛を自覚し,近医を受診した.翌日,症状が増悪したため,急性虫垂炎の診断で当院へ紹介受診した. 腹部造影CTでは骨盤内に造影効果に乏しい11cm大の表面平滑,内部均一,境界明瞭な腫瘤を認め,腹部エコーでは,腫瘤は境界明瞭で内部は充実性であった.以上より腹腔内腫瘤の精査,加療目的に緊急入院した.翌日,腹部所見が増悪したため,緊急開腹手術を施行した.開腹したところ,骨盤内に暗青色のうっ血した腫瘤を認め,頭側から腫瘤に繋がる血管が捻転していた.捻転した血管を結紮切離し腫瘤を摘出した.摘出した腫瘤は14×11cmで割面は赤色で脾組織と思われた.本来の脾臓は左横隔膜下に存在...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 4; pp. 901 - 905 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Subjects | |
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Summary: | 症例は23歳,女性.突然の下腹部痛を自覚し,近医を受診した.翌日,症状が増悪したため,急性虫垂炎の診断で当院へ紹介受診した. 腹部造影CTでは骨盤内に造影効果に乏しい11cm大の表面平滑,内部均一,境界明瞭な腫瘤を認め,腹部エコーでは,腫瘤は境界明瞭で内部は充実性であった.以上より腹腔内腫瘤の精査,加療目的に緊急入院した.翌日,腹部所見が増悪したため,緊急開腹手術を施行した.開腹したところ,骨盤内に暗青色のうっ血した腫瘤を認め,頭側から腫瘤に繋がる血管が捻転していた.捻転した血管を結紮切離し腫瘤を摘出した.摘出した腫瘤は14×11cmで割面は赤色で脾組織と思われた.本来の脾臓は左横隔膜下に存在していることより,副脾茎捻転と診断した. 病理学的所見では疎らに白色脾髄と考えられる,脾臓構造を持ち,高度に鬱血を認めた.悪性所見は認めなかった. 副脾茎捻転は稀な症例であり,若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.901 |