当院スペシャルニーズ歯科センター(障がい者歯科)における全身麻酔下治療
スペシャルニーズのある患者では心理学的アプローチによる意識下での歯科治療が困難な場合があり,薬理学的アプローチの一つとして全身麻酔下での集中歯科治療が選択される.今回,スペシャルニーズ歯科センターでの全身麻酔下治療の実態を把握するために,当センターが開設された平成24年4月から平成30年3月までの6年間の調査を行った.当センターにて全身麻酔下治療を行った474症例(患者数301名)を対象とし,調査は診療録や麻酔記録を資料として,年度別症例数,患者数,障害の内訳,処置内容,入院日数などについて行った.年度別症例数は平成24年度が63例,25年度が83例,26年度が76例,27年度が87例,28年...
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Published in | 日本障害者歯科学会雑誌 Vol. 41; no. 1; pp. 23 - 28 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本障害者歯科学会
29.02.2020
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ISSN | 0913-1663 2188-9708 |
DOI | 10.14958/jjsdh.41.23 |
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Summary: | スペシャルニーズのある患者では心理学的アプローチによる意識下での歯科治療が困難な場合があり,薬理学的アプローチの一つとして全身麻酔下での集中歯科治療が選択される.今回,スペシャルニーズ歯科センターでの全身麻酔下治療の実態を把握するために,当センターが開設された平成24年4月から平成30年3月までの6年間の調査を行った.当センターにて全身麻酔下治療を行った474症例(患者数301名)を対象とし,調査は診療録や麻酔記録を資料として,年度別症例数,患者数,障害の内訳,処置内容,入院日数などについて行った.年度別症例数は平成24年度が63例,25年度が83例,26年度が76例,27年度が87例,28年度が75例,29年度が90例であった.障害の内訳は自閉スペクトラム症および知的能力障害で半数以上を占めていた.処置内容はコンポジットレジン修復が最も多く,次いで抜歯の順であった.入院日数は日帰り症例が大多数を占めた.当センターでの日帰りによる全身麻酔下治療の処置時間は2時間を基本としているため,治療時間に制限があり,治療本数が多い場合などでは治療回数が複数回となることもあるが,環境の変化に適応が困難なことが多い障害者には今後も日帰り全身麻酔が選択されると考える. |
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ISSN: | 0913-1663 2188-9708 |
DOI: | 10.14958/jjsdh.41.23 |