Interleukin 12によるマウスコラーゲン誘導関節炎の抑制

慢性関節リウマチ(RA)は関節の炎症性病変, すなわち関節滑膜の増殖, 軟骨, 骨の破壊性病変を中心とした全身性慢性炎症性疾患であるが, 原因ならびにその根本的治療に関してはさまざまなアプローチにもかかわらず現在までも不明である1). マウスあるいはラットにII型コラーゲンをアジュバントとともに免疫することにより, ヒトのRAに類似の関節病変が誘導されることが1980年前後に報告されて以来, このモデル動物(コラーゲン誘導関節炎:CIA)を用いた関節炎発症の研究がさまざまな方面より行われている2, 3). この関節炎は第一にコラーゲンに対する細胞性および液性免疫反応により進行し, その病変形成...

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Published in炎症 Vol. 17; no. 6; pp. 549 - 555
Main Authors 三輪, 裕介, 笠間, 毅, 羽入田, 芳生, 波多野, 好美, 足立, 満, 井出, 宏嗣, 山崎, 純子, 小林, 和夫, 根岸, 雅夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 17.11.1997
日本炎症学会
Subjects
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.17.549

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Summary:慢性関節リウマチ(RA)は関節の炎症性病変, すなわち関節滑膜の増殖, 軟骨, 骨の破壊性病変を中心とした全身性慢性炎症性疾患であるが, 原因ならびにその根本的治療に関してはさまざまなアプローチにもかかわらず現在までも不明である1). マウスあるいはラットにII型コラーゲンをアジュバントとともに免疫することにより, ヒトのRAに類似の関節病変が誘導されることが1980年前後に報告されて以来, このモデル動物(コラーゲン誘導関節炎:CIA)を用いた関節炎発症の研究がさまざまな方面より行われている2, 3). この関節炎は第一にコラーゲンに対する細胞性および液性免疫反応により進行し, その病変形成にはさまざまな因子の関与が報告されている. その一つとしてサイトカインの関与もヒトのRA同様に考えられている. Proinflammatory cytokinesであるinterleu-kin(IL)-1, TNF-α, あるいはIL-6などは関節炎の発症およびその経過に対して正の方向に作用し, IL-lreceptor antagonist(IL-1ra), 可溶性TNF receptorなどは負, すなわち関節炎を抑制する方向に働くとされている.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.17.549