幼児の主体的な運動活動を支える指導者の役割 保育所における体操教室からの一考察

幼児期には,主体的に多様な動きを経験することが必要である.指導者は,経験させたい動きが引き出される環境構成への工夫が求められるため,運動内容の直接的教示者ではない役割を担う必要がある.本研究では,保育所の5歳児を対象とした体操教室における,用具を使用した「自由な活動時間」に焦点を当てた.指導者である筆者が,多様な動きを引き出すことをねらった幼児への働きかけについて,エピソード記述を用いた脱自的省察をおこなった.幼児の運動環境は,指導者の活動内容に対する目的や意図だけではなく,幼児が作り出す環境との相互作用の中で構築されており,幼児・環境・指導者の間には,三項間の円環的相互関係が存在することが推...

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Published in体操研究 Vol. 13; pp. 11 - 19
Main Authors 長谷川, 聖修, 古屋, 朝映子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体操学会 2017
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ISSN1883-5872
DOI10.4107/gym.13.11

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Summary:幼児期には,主体的に多様な動きを経験することが必要である.指導者は,経験させたい動きが引き出される環境構成への工夫が求められるため,運動内容の直接的教示者ではない役割を担う必要がある.本研究では,保育所の5歳児を対象とした体操教室における,用具を使用した「自由な活動時間」に焦点を当てた.指導者である筆者が,多様な動きを引き出すことをねらった幼児への働きかけについて,エピソード記述を用いた脱自的省察をおこなった.幼児の運動環境は,指導者の活動内容に対する目的や意図だけではなく,幼児が作り出す環境との相互作用の中で構築されており,幼児・環境・指導者の間には,三項間の円環的相互関係が存在することが推察されるため,これらを一つのゲシュタルトとして捉えた上で考察する必要が示唆される.
ISSN:1883-5872
DOI:10.4107/gym.13.11