ジャトロファ廃材の熱分解におけるPtPd修飾ゼオライト(ZSM-5,ベータ,USY)の効果

ジャトロファ残査からのバイオオイル製造を目的として,三つの代表的な修飾ゼオライトを用いた熱分解をステンレス反応管,窒素雰囲気中,600 ℃で行った。ジャトロファ/触媒重量比=1で,芳香族炭化水素選択率の序列は,PtPd/ZSM(30) (73.7 %)>PtPd/ベータ(22.5) (68.6 %)>PtPd/USY(20) (48.7 %)であった。加えて,再生触媒での効果も検討した。フレッシュおよび再生触媒の解析をXRD,NH3-TPD,TG/DTG,比表面積測定等で行い,炭素析出および除去再生の挙動はゼオライトの細孔構造や固体酸性に影響されることを推定した。実際,10員環では細孔内よりむ...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 57; no. 3; pp. 133 - 145
Main Authors 村田, 和久, 劉, 彦勇, 稲葉, 仁, 高原, 功
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 石油学会 2014
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Summary:ジャトロファ残査からのバイオオイル製造を目的として,三つの代表的な修飾ゼオライトを用いた熱分解をステンレス反応管,窒素雰囲気中,600 ℃で行った。ジャトロファ/触媒重量比=1で,芳香族炭化水素選択率の序列は,PtPd/ZSM(30) (73.7 %)>PtPd/ベータ(22.5) (68.6 %)>PtPd/USY(20) (48.7 %)であった。加えて,再生触媒での効果も検討した。フレッシュおよび再生触媒の解析をXRD,NH3-TPD,TG/DTG,比表面積測定等で行い,炭素析出および除去再生の挙動はゼオライトの細孔構造や固体酸性に影響されることを推定した。実際,10員環では細孔内よりむしろ外表面で熱分解が起こる。12員環で合計酸量が中程度のUSYでは,主反応は細孔内であるが,再生により除去しやすい炭素が蓄積する。また,同じ12員環でもUSYの2倍以上の酸量を持つベータゼオライトでは,除去しにくい炭素がより多く析出する傾向であった。こうして,これら熱分解条件下では,PtPd/ZSM(30)触媒がPtPd/ベータ(22.5)やPtPd/USY(20)より相対的に好ましいことを推定した。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.57.133