NOAC の登場によって変化してきた心原性脳塞栓症の治療現場

要旨 我々の施設の非弁膜症性心房細動による心原性脳塞栓症(NVAF-CE)入院患者について入院時の抗血栓薬を検討すると,NOAC 登場前は,ワルファリン(W)32%,抗血小板薬(P)23%,抗血栓薬が45%であった.NOAC 登場後はW が35%,NOAC が18%,P が9%,抗血栓薬が38%であり,NOAC 登場前に比しP 処方患者が明らかに減少,抗血栓薬も軽度減少していた.以前ならW の代わりにP を処方していた症例に,NOAC が処方されている症例が増加していると考えられた.NOAC 服用中のNVAF-CE 発症患者の入院時NIHSS は平均1.4 であり,W 服用中の8.8,抗凝固薬...

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Published in脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) Vol. 26; no. 2; pp. 57 - 62
Main Authors 高嶋, 修太郎, 道具, 伸浩, 林, 智宏, 小西, 宏史, 田中, 耕太郎, 温井, 孝昌, 山本, 真守, 田口, 芳治, 吉田, 幸司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳循環代謝学会 2015
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ISSN0915-9401
2188-7519
DOI10.16977/cbfm.26.2_57

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Summary:要旨 我々の施設の非弁膜症性心房細動による心原性脳塞栓症(NVAF-CE)入院患者について入院時の抗血栓薬を検討すると,NOAC 登場前は,ワルファリン(W)32%,抗血小板薬(P)23%,抗血栓薬が45%であった.NOAC 登場後はW が35%,NOAC が18%,P が9%,抗血栓薬が38%であり,NOAC 登場前に比しP 処方患者が明らかに減少,抗血栓薬も軽度減少していた.以前ならW の代わりにP を処方していた症例に,NOAC が処方されている症例が増加していると考えられた.NOAC 服用中のNVAF-CE 発症患者の入院時NIHSS は平均1.4 であり,W 服用中の8.8,抗凝固薬非服用中の10.9 に比し,有意に(p<0.05)低値であった.入院時D-dimer 値についても,NOAC 服用群で有意に(p<0.05)低値であった.NVAF-CE の退院時の抗凝固薬は,NOAC 登場前はW 76%,処方が24%,登場後はW 44%,NOAC 43%,が13%で,抗凝固薬処方が減少していた.NOAC 使用が普及しつつあるが,長期の安全性と有用性については今後も検証が必要である.
ISSN:0915-9401
2188-7519
DOI:10.16977/cbfm.26.2_57