Ga-FIBからBi-FIBへ: TOF-SIMSによる埋もれた界面のその場観察

FIB(Focused ion beam)は,微細な電子デバイスの故障解析などに用いられるサンプル加工技術で,一般にGaイオンビームが広く使われている.最近では,複雑な組成分布や構造を持つ材料の3次元イメージングを実現するために,飛行時間二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)装置と組み合わせたFIB-TOFが注目を集めている.ただし,Ga-FIBの課題として,加工スピードの遅さが挙げられる.この課題を克服するために,Biイオンビームを用いたFIB加工の検討を行った.元素周期表で最も重い非放射性元素であるBiを用いることで,加工スピードの向上に加え,FIB残渣がスペクトルに与える影響を軽減する...

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Published inJournal of Surface Analysis Vol. 30; no. 2; pp. 120 - 126
Main Author 飯田, 真一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 表面分析研究会 2023
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Summary:FIB(Focused ion beam)は,微細な電子デバイスの故障解析などに用いられるサンプル加工技術で,一般にGaイオンビームが広く使われている.最近では,複雑な組成分布や構造を持つ材料の3次元イメージングを実現するために,飛行時間二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)装置と組み合わせたFIB-TOFが注目を集めている.ただし,Ga-FIBの課題として,加工スピードの遅さが挙げられる.この課題を克服するために,Biイオンビームを用いたFIB加工の検討を行った.元素周期表で最も重い非放射性元素であるBiを用いることで,加工スピードの向上に加え,FIB残渣がスペクトルに与える影響を軽減する効果が期待される.本稿ではGa-FIBとBi-FIBの比較結果と,Bi-FIBを用いた全固体電池材料の断面観察結果を紹介する.
ISSN:1341-1756
1347-8400
DOI:10.1384/jsa.30.120