ストーマ静脈瘤に対し硬化療法とPercutaneous transhepatic obiteration を施行した1症例

回腸導管の粘膜皮膚接合部より出血を繰り返していた出血性ストーマ静脈瘤の症例を経験した。本症例に対し、硬化療法と経皮経肝静脈塞栓術(PTO:Per-cutaneous transhepatic obliteration)を行った。PTOは腸間膜静脈造影を施行し、ストーマ静脈瘤につながる側副血行路を確認し塞栓術を行い、その前後で硬化療法を行った。このPTOと硬化療法の併用がストーマ静脈瘤からの出血防止に効果的であった。ストーマ管理は、出血を誘発しないように、ストーマおよびストーマ周囲の皮膚保護を行い、排便時の怒責を避ける指導を行った。なお血管造影で得られた所見からストーマ静脈瘤の栄養血管は局所の回...

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Published in日本ストーマリハビリテーション学会誌 Vol. 16; no. 1; pp. 61 - 68
Main Authors 三木, 佳子, 喜田, 恵治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 2000
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ISSN0916-6440
2436-8806
DOI10.32158/jssr.16.1_61

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Summary:回腸導管の粘膜皮膚接合部より出血を繰り返していた出血性ストーマ静脈瘤の症例を経験した。本症例に対し、硬化療法と経皮経肝静脈塞栓術(PTO:Per-cutaneous transhepatic obliteration)を行った。PTOは腸間膜静脈造影を施行し、ストーマ静脈瘤につながる側副血行路を確認し塞栓術を行い、その前後で硬化療法を行った。このPTOと硬化療法の併用がストーマ静脈瘤からの出血防止に効果的であった。ストーマ管理は、出血を誘発しないように、ストーマおよびストーマ周囲の皮膚保護を行い、排便時の怒責を避ける指導を行った。なお血管造影で得られた所見からストーマ静脈瘤の栄養血管は局所の回腸動脈より粘膜を介して供給されるのではなく、直接回腸静脈の逆流によることが判った。
ISSN:0916-6440
2436-8806
DOI:10.32158/jssr.16.1_61