深層学習技術を基盤とする自動作問研究の動向と展望

作問はテストの開発・運用においてコストの大きい工程の一つである。近年,作問の負担を軽減するアプローチの一つとして,人工知能を用いた自動作問技術が注目されている。古典的な自動作問手法は人手で設計したテンプレートやルールを用いるアプローチが主流であったが,近年では大規模言語モデルを含む深層学習ベースのアプローチが登場し,柔軟かつ高品質な自動作問が可能になりつつある。また,自然言語処理技術の高度化やコンピュータビジョン技術との融合により,自然言語だけでなく,画像や数式,プログラミングコード,知識グラフなどを扱う自動作問技術も多数開発されている。さらに,項目の難易度や形式などを指定できるコントローラブ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本テスト学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 97 - 123
Main Author 宇都, 雅輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本テスト学会 2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-9618
2433-7447
DOI10.24690/jart.21.1_97

Cover

More Information
Summary:作問はテストの開発・運用においてコストの大きい工程の一つである。近年,作問の負担を軽減するアプローチの一つとして,人工知能を用いた自動作問技術が注目されている。古典的な自動作問手法は人手で設計したテンプレートやルールを用いるアプローチが主流であったが,近年では大規模言語モデルを含む深層学習ベースのアプローチが登場し,柔軟かつ高品質な自動作問が可能になりつつある。また,自然言語処理技術の高度化やコンピュータビジョン技術との融合により,自然言語だけでなく,画像や数式,プログラミングコード,知識グラフなどを扱う自動作問技術も多数開発されている。さらに,項目の難易度や形式などを指定できるコントローラブルな自動作問技術にも注目が集まっている。本稿では,このような深層学習ベースの自動作問技術の研究動向を整理し,教育やテストでの実用に向けた今後の展望について論じる。
ISSN:1880-9618
2433-7447
DOI:10.24690/jart.21.1_97