小児・成人のためのPeutz-Jeghers 症候群診療ガイドライン(2020 年版)

Peutz-Jeghers症候群は,食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと皮膚・粘膜の色素斑を特徴とする希少疾患である.STK11遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とし,常染色体優性遺伝形式をとる.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある.本症候群でみられる過誤腫性ポリープは小腸に好発し,ポリープが大きくなると出血,腸閉塞,腸重積の原因となる.初回の消化管サーベイランスは症状がなくても8歳頃を目安に行い,10〜15mm以上の小腸ポリープは内視鏡的ポリープ切除術を行う.消化管,乳房,膵,子宮,卵巣,肺,精巣などに悪性腫瘍の発生が認められ,適切なサーベイランスが必要であ...

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Published in遺伝性腫瘍 Vol. 20; no. 2; pp. 59 - 78
Main Authors 石黒, 信吾, 松浦, 成昭, 秋山, 卓士, 斉田, 芳久, 岡﨑, 康司, 石川, 秀樹, 岩間, 毅夫, 熊谷, 秀規, 石田, 秀行, 川崎, 優子, 吉田, 輝彦, 中山, 佳子, 阪埜, 浩司, 佐野, 寧, 坂本, 博次, 船坂, 陽子, 斎藤, 豊, 山本, 博徳, 田近, 正洋, 武藤, 倫弘, 内田, 恵一, 竹内, 洋司, 山本, 敏樹, 冨田, 尚裕, 堀, 伸一郎, 中島, 健, 阿部, 孝, 山口, 達郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会 2020
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ISSN2435-6808
DOI10.18976/jsht.20.2_59

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Summary:Peutz-Jeghers症候群は,食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと皮膚・粘膜の色素斑を特徴とする希少疾患である.STK11遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とし,常染色体優性遺伝形式をとる.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある.本症候群でみられる過誤腫性ポリープは小腸に好発し,ポリープが大きくなると出血,腸閉塞,腸重積の原因となる.初回の消化管サーベイランスは症状がなくても8歳頃を目安に行い,10〜15mm以上の小腸ポリープは内視鏡的ポリープ切除術を行う.消化管,乳房,膵,子宮,卵巣,肺,精巣などに悪性腫瘍の発生が認められ,適切なサーベイランスが必要である.本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう, 基本的事項を解説し,4個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.
ISSN:2435-6808
DOI:10.18976/jsht.20.2_59