温度条件がジネンジョ(Dioscorea japonica Thunb.) ‘稲武2号’ のむかごおよび種芋の萌芽と幼芽および幼根の伸長に及ぼす影響

温度条件がジネンジョ ‘稲武2号’ のむかごおよび種芋の萌芽,幼芽および幼根の伸長に及ぼす影響を検討した.むかごの萌芽について,30°C区の萌芽開始日は置床後3日と最も早く,萌芽勢(置床後7日の累積萌芽率)は76%と最も高くなり,最終萌芽率も80%以上と高かった.種芋の萌芽開始日は20°C区から35°C区の温度域で同じであったが,萌芽勢および最終萌芽率は25°C区および30°C区の両温度区で高かった.これらのことから,本試験の範囲内におけるむかごおよび種芋の萌芽適温域は,それぞれ約30°Cおよび25~30°Cの温度域と推察した.むかごの最大芽長および最大根長は30°C区で最も長く,むかごが大き...

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Published in園芸学研究 Vol. 19; no. 4; pp. 349 - 354
Main Authors 中村, 嘉孝, 田中, 哲司, 糟谷, 真宏, 瀧, 勝俊, 井上, 栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2020
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Summary:温度条件がジネンジョ ‘稲武2号’ のむかごおよび種芋の萌芽,幼芽および幼根の伸長に及ぼす影響を検討した.むかごの萌芽について,30°C区の萌芽開始日は置床後3日と最も早く,萌芽勢(置床後7日の累積萌芽率)は76%と最も高くなり,最終萌芽率も80%以上と高かった.種芋の萌芽開始日は20°C区から35°C区の温度域で同じであったが,萌芽勢および最終萌芽率は25°C区および30°C区の両温度区で高かった.これらのことから,本試験の範囲内におけるむかごおよび種芋の萌芽適温域は,それぞれ約30°Cおよび25~30°Cの温度域と推察した.むかごの最大芽長および最大根長は30°C区で最も長く,むかごが大きいほど長くなる傾向が認められた.種芋の最大芽長は30°C区が最も長かった.種芋の最大根長は25°C区および30°C区の両温度区で長かった.むかごの大きさの違いが芽数に及ぼす影響は認められなかった.以上の結果より,むかごおよび種芋における催芽処理時の適温は,それぞれ約30°Cおよび25~30°Cの温度域であることが示唆された.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.19.349