世界初の経口GLP-1受容体作動薬リベルサスⓇの開発

セマグルチドの経口錠剤であるリベルサスⓇは、国内では2型糖尿病の適応で2020年6月に承認取得した、世界初の1日1回経口投与によるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬製剤である。本剤は吸収促進剤であるサルカプロザートナトリウム(SNAC)とともに製剤化することにより、高分子ペプチド化合物であるセマグルチドの経口吸収が可能となった。本剤はグルコース濃度依存的に血糖降下作用を発揮することから低血糖のリスクが低く、糖尿病薬治療におけるアドヒアランスの向上が期待される。本稿では、SNACによるセマグルチドの経口吸収促進機序、本剤の薬物動態および臨床試験成績について紹介する。...

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Published inDrug Delivery System Vol. 37; no. 2; pp. 169 - 173
Main Authors 森脇, 紀親, 赤堀, みつる, 杉井, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.03.2022
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Summary:セマグルチドの経口錠剤であるリベルサスⓇは、国内では2型糖尿病の適応で2020年6月に承認取得した、世界初の1日1回経口投与によるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬製剤である。本剤は吸収促進剤であるサルカプロザートナトリウム(SNAC)とともに製剤化することにより、高分子ペプチド化合物であるセマグルチドの経口吸収が可能となった。本剤はグルコース濃度依存的に血糖降下作用を発揮することから低血糖のリスクが低く、糖尿病薬治療におけるアドヒアランスの向上が期待される。本稿では、SNACによるセマグルチドの経口吸収促進機序、本剤の薬物動態および臨床試験成績について紹介する。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.37.169