サンゴ分類の話 連載 第1回 サンゴの和名問題(1)「クシハダミドリイシ/ナンヨウミドリイシ」
有藻性イシサンゴ類の分類体系および和名の大幅な変更,また,サンゴの種同定問題などに起因するサンゴの分類関連の混乱の解消および問題の解決のため,「解説:サンゴ分類の話 連載」を開始する。手始めにサンゴの和名問題を取り上げ,特に和名の混乱が認められるクシハダミドリイシ/ナンヨウミドリイシについて解説する。形態や遺伝子解析,記載論文やタイプ標本の調査から判断した結果,日本国内の全てのクシハダミドリイシ様集団は,種単位ではなく「種群」として扱い,“Acropora hyacinthus species complex”(簡易版:Acropora hyacinthus complex)「クシハダミドリ種...
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Published in | 日本サンゴ礁学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 21 - 26 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本サンゴ礁学会
2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-1421 1882-5710 |
DOI | 10.3755/jcrs.23.21 |
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Summary: | 有藻性イシサンゴ類の分類体系および和名の大幅な変更,また,サンゴの種同定問題などに起因するサンゴの分類関連の混乱の解消および問題の解決のため,「解説:サンゴ分類の話 連載」を開始する。手始めにサンゴの和名問題を取り上げ,特に和名の混乱が認められるクシハダミドリイシ/ナンヨウミドリイシについて解説する。形態や遺伝子解析,記載論文やタイプ標本の調査から判断した結果,日本国内の全てのクシハダミドリイシ様集団は,種単位ではなく「種群」として扱い,“Acropora hyacinthus species complex”(簡易版:Acropora hyacinthus complex)「クシハダミドリ種群」とするのが適切であると結論付けた。しかしながら,一般的に「種群」が使用されない場合が多いため,次善策としては,本種群の整理が完了するまで,和名のナンヨウミドリイシは使用せず,Acropora hyacinthus クシハダミドリイシの使用を推奨する。 |
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ISSN: | 1345-1421 1882-5710 |
DOI: | 10.3755/jcrs.23.21 |