人的介入によるサンゴ礁保全策の現状と可能性—サンゴの白化に着目して

海水温上昇によるサンゴの白化の頻発が大きな問題となっており,将来的に広範囲でサンゴが死滅する可能性が示唆されている。近年,大規模な死滅からサンゴを救済することを目指した人的介入方法が検討され,現場での実現可能性を含め議論されている。本稿では,白化を防止・軽減する物理環境や経験環境履歴によるストレス耐性の獲得,外的な餌の供給による栄養の増強やマンガンなどの金属元素の付加によるストレス耐性強化に加え,細菌を含めたホロビオントとしての白化対策について紹介し,人的介入によるサンゴ礁生態系保全策の現状と今後の可能性について言及する。...

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Published in日本サンゴ礁学会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 19 - 37
Main Authors 樋口, 富彦, 宮島, 利宏, 高木, 俊幸, 湯山, 育子, 藤村, 弘行, 中村, 隆志, アゴスティーニ, シルバン
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サンゴ礁学会 2024
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ISSN1345-1421
1882-5710
DOI10.3755/jcrs.26.19

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Summary:海水温上昇によるサンゴの白化の頻発が大きな問題となっており,将来的に広範囲でサンゴが死滅する可能性が示唆されている。近年,大規模な死滅からサンゴを救済することを目指した人的介入方法が検討され,現場での実現可能性を含め議論されている。本稿では,白化を防止・軽減する物理環境や経験環境履歴によるストレス耐性の獲得,外的な餌の供給による栄養の増強やマンガンなどの金属元素の付加によるストレス耐性強化に加え,細菌を含めたホロビオントとしての白化対策について紹介し,人的介入によるサンゴ礁生態系保全策の現状と今後の可能性について言及する。
ISSN:1345-1421
1882-5710
DOI:10.3755/jcrs.26.19