RAPD分析を用いた日本のトウガラシ(Capsicum annuum)在来品種の類縁関係の解析

日本産在来トウガラシ52品種を用いてRAPD法により多型解析を行いその類縁関係を解析した.その結果に基づくUPGMA法による系統樹ではI~Vの5つのクラスターに分類することができ,そのうちのクラスターIVは2つのサブクラスターに分けることができた.クラスターIおよびIIは京都の伏見系4品種と石川県の ‘剣崎なんばん’,クラスターIIIは上向き着果の香辛料用品種,クラスターIVのサブクラスターIV-aは観賞用開発良品種および果実色に特徴を有する品種で構成されたが,最大の品種数によって構成されたサブクラスターIV-bは雑多な品種群が混合して構成された.残るクラスターVはベル・ブロッキー型の大果品種...

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Published in園芸学研究 Vol. 21; no. 4; pp. 391 - 399
Main Authors 松島, 憲一, 伊藤, 卓也, 根本, 和洋, 北村, 和也, 南, 峰夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2022
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.21.391

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Summary:日本産在来トウガラシ52品種を用いてRAPD法により多型解析を行いその類縁関係を解析した.その結果に基づくUPGMA法による系統樹ではI~Vの5つのクラスターに分類することができ,そのうちのクラスターIVは2つのサブクラスターに分けることができた.クラスターIおよびIIは京都の伏見系4品種と石川県の ‘剣崎なんばん’,クラスターIIIは上向き着果の香辛料用品種,クラスターIVのサブクラスターIV-aは観賞用開発良品種および果実色に特徴を有する品種で構成されたが,最大の品種数によって構成されたサブクラスターIV-bは雑多な品種群が混合して構成された.残るクラスターVはベル・ブロッキー型の大果品種によって構成された.以上の結果,大まかな日本の在来品種の類縁関係や遺伝的関係が明らかになり,その一部は文献などの史実と一致した.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.21.391