ハイブリッド経腟的内視鏡手術(vNOTEs)によるリスク低減卵管卵巣摘出術の提案

BRCA病的バリアント保持者は,リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を行うことが推奨されている.従来の経腟的内視鏡手術(vNOTEs)は,スコープ挿入前にダグラス窩腹膜の播種や微量の腹水の有無を確認することができない.偶発的にダグラス窩に播種を認める可能性を考慮すると,従来のvNOTEsをそのままRRSOに適応することは危険である.また,腹腔内の詳細な観察も行うことができない.われわれは,BRCA1病的バリアント保持者の女性に対し,ハイブリッドvNOTEsとして,ダグラス窩から挿入した5mmポートからフレキシブルスコープを挿入し,臍部の12mmポートと下腹部正中に挿入した直径2.4mmのトロッ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in遺伝性腫瘍 Vol. 24; no. 1; pp. 80 - 85
Main Authors 西村, 真唯, 小池, 和生, 小林, 雄大, 西島, 純一, 松本, 沙知子, 中谷, 真紀子, 中島, 亜矢子, 福士, 義将, 石黒, 敦, 和田, 真一郎, 藤野, 敬史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会 30.07.2024
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:BRCA病的バリアント保持者は,リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を行うことが推奨されている.従来の経腟的内視鏡手術(vNOTEs)は,スコープ挿入前にダグラス窩腹膜の播種や微量の腹水の有無を確認することができない.偶発的にダグラス窩に播種を認める可能性を考慮すると,従来のvNOTEsをそのままRRSOに適応することは危険である.また,腹腔内の詳細な観察も行うことができない.われわれは,BRCA1病的バリアント保持者の女性に対し,ハイブリッドvNOTEsとして,ダグラス窩から挿入した5mmポートからフレキシブルスコープを挿入し,臍部の12mmポートと下腹部正中に挿入した直径2.4mmのトロッカーレス細径鉗子を用いてRRSOを行った.われわれの提案するハイブリッドvNOTEsによるRRSOは術後疼痛の軽減や整容性に優れ,RRSOで必要とされる手術操作も十分行うことができる.
ISSN:2435-6808
DOI:10.18976/jsht.24.1_80