平成22年度学会賞報告

われわれは5例のストーマ静脈瘤を経験した。平均年齢は60.2歳±8.8歳(50~67歳)。ストーマ静脈瘤からの初回出血はストーマ造設から平均3年3ヶ月±3年5ヶ月(50日~9年)。いずれも繰り返し出血し圧迫止血で一時止血可能であった。4例に対し皮膚接合部の静脈瘤にphenol硬化療法、3例に縫合止血、2例でゴム輪結紮、1例は脾動脈塞栓術を施行した。3例は肝不全で死亡した。アルコール性肝硬変症例では断酒によってストーマ静脈瘤が改善し出血が消失した。ストーマケアとしては、主に二品系装具を用い、面板のストーマ孔を大きくして練状皮膚保護剤を併用するなど、静脈瘤への刺激を避ける工夫を行った。...

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Published in日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 Vol. 27; no. 2; p. 4
Main Authors 河島, 秀昭, 高橋, 夏絵, 樫山, 基矢, 関川, 小百合
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 2011
Subjects
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ISSN1882-0115
2434-3056
DOI10.32158/jsscr.27.2_4

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Summary:われわれは5例のストーマ静脈瘤を経験した。平均年齢は60.2歳±8.8歳(50~67歳)。ストーマ静脈瘤からの初回出血はストーマ造設から平均3年3ヶ月±3年5ヶ月(50日~9年)。いずれも繰り返し出血し圧迫止血で一時止血可能であった。4例に対し皮膚接合部の静脈瘤にphenol硬化療法、3例に縫合止血、2例でゴム輪結紮、1例は脾動脈塞栓術を施行した。3例は肝不全で死亡した。アルコール性肝硬変症例では断酒によってストーマ静脈瘤が改善し出血が消失した。ストーマケアとしては、主に二品系装具を用い、面板のストーマ孔を大きくして練状皮膚保護剤を併用するなど、静脈瘤への刺激を避ける工夫を行った。
ISSN:1882-0115
2434-3056
DOI:10.32158/jsscr.27.2_4