Japan Surveillance for Infection Prevention and Healthcare Epidemiology(J-SIPHE)による抗菌薬使用量集計の評価

Japan Surveillance for Infection Prevention and Healthcare Epidemiology(J-SIPHE)では,レセプト請求データである入院EF統合ファイルに基づき抗菌薬使用量が集計される.入院EF統合ファイルには,歯科診療,自由診療等に関する診療のデータが含まれないため,必然的に実使用量との乖離が生じる.両者の差異を明らかにするため,自施設の2018年4月から2018年12月の抗菌薬使用量について,実使用量に基づいた集計値とJ-SIPHEによる集計値とを比較した.Antimicrobial use density(AUD)では,15薬剤の...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 31 - 36
Main Authors 丹羽, 隆, 伊藤, 朱里, 藤林, 彩里, 鈴木, 景子, 米玉利, 準, 丹羽, 麻由美, 太田, 浩敏, 土屋, 麻由美, 伊藤, 由起子, 畠山, 大二郎, 馬場, 尚志, 村上, 啓雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.01.2020
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Summary:Japan Surveillance for Infection Prevention and Healthcare Epidemiology(J-SIPHE)では,レセプト請求データである入院EF統合ファイルに基づき抗菌薬使用量が集計される.入院EF統合ファイルには,歯科診療,自由診療等に関する診療のデータが含まれないため,必然的に実使用量との乖離が生じる.両者の差異を明らかにするため,自施設の2018年4月から2018年12月の抗菌薬使用量について,実使用量に基づいた集計値とJ-SIPHEによる集計値とを比較した.Antimicrobial use density(AUD)では,15薬剤のうち14薬剤(93.3%)で両者の差は中央値10%以内であったが,ピペラシリンではJ-SIPHEによる集計値が中央値で30.5%高値となった.Days of therapy(DOT)では,86.7%で両者の差は中央値10%以内であったが,アンピシリンでは実使用量よりも中央値で29.0%低値となった.AUD/DOTでも,ピペラシリンで33.5%,アンピシリンで28.2%,それぞれ実使用量より高値となった.ピペラシリンは小児科での使用,アンピシリンは歯科での使用が多かったことが影響したと考えられた.J-SIPHEによる抗菌薬使用量の評価では,実使用量との差異の把握が重要と考えられた.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.35.31