屋外石油タンク底部における腐食損傷評価技術の改良AE(アコースティック・エミッション)法の開発

AEを用いた診断は,これまで海外では屋外石油タンクの底部腐食損傷の状態を把握する手法として広く調査研究が行われてきているが,国内の製油所では,対象となるタンク底部の腐食損傷程度があまり大きくなかったこと(<0.1 mm/年),かつ消防法で求められるデータによる腐食管理が定着していたこと等の理由から,普及はあまり進んでいなかった。 一方,近年ではUT(Ultrasonic Testing)と称する非破壊検査技術を用いた連続板厚計測手法が広く認知され,UTは定期修理工事中に開放タンクの底板の板厚の計測解析に用いられるようになり,タンク底板の腐食損傷状態をより正確に知ることができるようになった。それ...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 56; no. 5; pp. 298 - 303
Main Authors 坂本, 宏, 関根, 和喜, 前田, 守彦, 鈴木, 裕晶
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 石油学会 2013
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Summary:AEを用いた診断は,これまで海外では屋外石油タンクの底部腐食損傷の状態を把握する手法として広く調査研究が行われてきているが,国内の製油所では,対象となるタンク底部の腐食損傷程度があまり大きくなかったこと(<0.1 mm/年),かつ消防法で求められるデータによる腐食管理が定着していたこと等の理由から,普及はあまり進んでいなかった。 一方,近年ではUT(Ultrasonic Testing)と称する非破壊検査技術を用いた連続板厚計測手法が広く認知され,UTは定期修理工事中に開放タンクの底板の板厚の計測解析に用いられるようになり,タンク底板の腐食損傷状態をより正確に知ることができるようになった。それに加え,AE計測装置を使用した診断技術のノイズ除去精度が向上し,優位なAE信号を通じて腐食位置の標定精度に向上がみられてきた。連続板厚計測を行うことで,AEの精度確認ができ,定量評価がデータベースを作ることで可能になった。 そこで,使用中の設備の故障状況を計測・評価するために,従来のAEを用いた診断方法を改良した技術を開発した。この改良AE法を用いることにより,タンク底板の腐食速度と改良AE方法で得られたデータとの間に良い相関性を得ることができた。これらの成果をまとめ,腐食損傷を診断するガイドラインを作成したので,報告する。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.56.298