浅側頭動脈-前大脳動脈（A3）吻合術における両側浅側頭動脈前頭枝の直上を皮切するbicoronal skin incisionの有用性

• Published in: 脳卒中の外科 Vol. 51; no. 4; pp. 312 - 317
• Main Authors: 清水, 望由紀, 桝田, 宏輔, 鈴木, 浩二, 松浦, 威一郎, 宮田, 昭宏, 古口, 徳雄, 相川, 光広, 山内, 利宏, 橋本, 憲一郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2023
• Subjects: A3-A3 bypass; bicoronal skin incision; bilateral ACA stenosis; Pitanguy’s line; STA-ACA bypass
• ISSN: 0914-5508; 1880-4683
• DOI: 10.2335/scs.51.312

前大脳動脈（A3）への血行再建術では中大脳動脈への血行再建術よりグラフトが長く必要となり，皮切のデザインに工夫を要する．今回，両側浅側頭動脈前頭枝の直上を切開するbicoronal skin incisionを用いて両側前頭開頭および浅側頭動脈-前大脳動脈（A3）吻合術を行えたので報告する．症例は73歳女性で，右遠位前大脳動脈瘤および両側前大脳動脈高度狭窄症を認めた．クリッピング術および両側前大脳動脈への血行再建術〔A3-A3バイパス，左浅側頭動脈-前大脳動脈（A3）吻合術〕を施行した．術後顔面神経麻痺はみられなかった．Pitanguy’s lineより上方での皮切では顔面神経麻痺が起こる可能性は低く，両側浅側頭動脈前頭枝の直上を切開する bicoronal skin incision は両側前頭開頭および前大脳動脈（A3）への血行再建術を行う場合に有用な皮切である．