酸化ジルコニウム(Ⅳ)担持ポリアミノポリカルボン酸型キレート樹脂固相カラムを用いる河川水・海水中ヒ素の固相抽出

ヒ素を濃縮することを目的に,ポリアミノポリカルボン酸型(PAPC型)キレート樹脂に酸化ジルコニウム(Ⅳ)を担持し固相抽出を試みた.酸化ジルコニウム(Ⅳ)担持したPAPC型キレート樹脂固相抽出カラムを用いると,ヒ素(Ⅲ)はpH 7.5 ~ 8.5の間で,ヒ素(Ⅴ)ではpH 2~8.5の間で捕捉率90%以上となった.固相抽出カラムに捕捉されたヒ素は0.1 M水酸化ナトリウムで容易に溶出でき,電気加熱原子吸光により測定できた.有機ヒ素化合物としてモノメチルアルソン酸(MMA),ジメチルアルシン酸(DMA),トリメチルアルシンオキサイド(TMAO),アルセノベタイン(AB),アルセノコリン(AC)の5...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本海水学会誌 Vol. 67; no. 1; pp. 52 - 58
Main Authors 米谷, 明, 山本, 和子, 白崎, 俊浩, 坂元, 秀之, 三浦, 和代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本海水学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0369-4550
2185-9213
DOI10.11457/swsj.67.52

Cover

More Information
Summary:ヒ素を濃縮することを目的に,ポリアミノポリカルボン酸型(PAPC型)キレート樹脂に酸化ジルコニウム(Ⅳ)を担持し固相抽出を試みた.酸化ジルコニウム(Ⅳ)担持したPAPC型キレート樹脂固相抽出カラムを用いると,ヒ素(Ⅲ)はpH 7.5 ~ 8.5の間で,ヒ素(Ⅴ)ではpH 2~8.5の間で捕捉率90%以上となった.固相抽出カラムに捕捉されたヒ素は0.1 M水酸化ナトリウムで容易に溶出でき,電気加熱原子吸光により測定できた.有機ヒ素化合物としてモノメチルアルソン酸(MMA),ジメチルアルシン酸(DMA),トリメチルアルシンオキサイド(TMAO),アルセノベタイン(AB),アルセノコリン(AC)の5種類について捕捉率を検討したところ,MMA以外の捕捉率は低かった.低圧水銀ランプを用い有機ヒ素化合物の光分解を行ったところ,5種類すべてについて捕捉できた.光分解を行った河川水・海水標準試料に本法の適用が可能であった.
ISSN:0369-4550
2185-9213
DOI:10.11457/swsj.67.52