アスパラガスの1年養成株全収穫栽培法(採りっきり栽培)とスイートコーンとの輪作体系における両作物の生育,収量および土壌化学性

アスパラガスの1年養成株全収穫栽培法(以下,採りっきり栽培)は,栽培期間が通常の栽培に比べて短く,圃場を長期間占有しないため,輪作が可能である.しかし,アスパラガスの新栽培法である採りっきり栽培を,収益性が高い輪作作物の1品目として新たに導入するためには,アスパラガスと輪作作物を繰り返し栽培することによるそれぞれの作物に及ぼす影響や,圃場の土壌化学性に及ぼす影響などを検討する必要がある.そこで本研究では,アスパラガスを用いた新たな輪作体系の構築に向け,採りっきり栽培のアスパラガスとスイートコーンを同じ区画で輪作し,アスパラガスおよびスイートコーンの生育および収量を調査するとともに,輪作終了後の...

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Published in園芸学研究 Vol. 24; no. 2; pp. 169 - 176
Main Authors 鈴木, 海斗, 元木, 悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2025
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Summary:アスパラガスの1年養成株全収穫栽培法(以下,採りっきり栽培)は,栽培期間が通常の栽培に比べて短く,圃場を長期間占有しないため,輪作が可能である.しかし,アスパラガスの新栽培法である採りっきり栽培を,収益性が高い輪作作物の1品目として新たに導入するためには,アスパラガスと輪作作物を繰り返し栽培することによるそれぞれの作物に及ぼす影響や,圃場の土壌化学性に及ぼす影響などを検討する必要がある.そこで本研究では,アスパラガスを用いた新たな輪作体系の構築に向け,採りっきり栽培のアスパラガスとスイートコーンを同じ区画で輪作し,アスパラガスおよびスイートコーンの生育および収量を調査するとともに,輪作終了後の圃場の土壌化学性を調査した.その結果,アスパラガスとスイートコーンとの輪作では,それぞれの生育および収量に及ぼす影響は1回の輪作では少なく,アスパラガスおよびスイートコーンが問題なく栽培できた.しかし,圃場の土壌化学性において,カリウムが輪作に伴って蓄積した.そのため,アスパラガスとスイートコーンとの輪作では,輪作2回以降は,堆肥の投入量やカリウムの施肥量などを見直す必要があると考える.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.24.169