全粒穀物の摂取増加に向けたシンガポールと台湾の取り組み

全粒穀物の摂取量を増やすことは健康の維持増進に効果的であり、生活習慣病のリスクを低減することが近年注目されている。健康的な食事や地球環境の持続可能性の観点から、世界保健機関やEAT-Lancet委員会が全粒穀物の摂取を推奨している。各国においても欧米諸国を中心に全粒穀物の定義が作成され、食事ガイドラインで全粒穀物の摂取に関する推奨事項や推奨量が示されている。また、アジアにおいても特にシンガポールと台湾では、食品表示のためのシンボルマークの作成や健康強調表示等、全粒穀物の摂取量増加に向けた先進的な取り組みがなされている。日本では現在、全粒穀物の定義は存在せず、ガイドライン等による全粒穀物摂取の推...

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Published in日本栄養士会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 36 - 44
Main Authors 池田, 奈由, 山下, 瞳, 山口, 美輪, 西, 信雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2025
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.68.36

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Summary:全粒穀物の摂取量を増やすことは健康の維持増進に効果的であり、生活習慣病のリスクを低減することが近年注目されている。健康的な食事や地球環境の持続可能性の観点から、世界保健機関やEAT-Lancet委員会が全粒穀物の摂取を推奨している。各国においても欧米諸国を中心に全粒穀物の定義が作成され、食事ガイドラインで全粒穀物の摂取に関する推奨事項や推奨量が示されている。また、アジアにおいても特にシンガポールと台湾では、食品表示のためのシンボルマークの作成や健康強調表示等、全粒穀物の摂取量増加に向けた先進的な取り組みがなされている。日本では現在、全粒穀物の定義は存在せず、ガイドライン等による全粒穀物摂取の推奨も行われていない。今後、海外の事例を参考にしながら、全粒穀物の摂取の推奨を積極的に検討すべきである。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.68.36