完全房室ブロック症例におけるQuickOptTMの有用性

心臓植込みデバイスにおけるAVディレイの至適化は,心拍出量を最大化するため重要である.AVディレイの至適化にはエコードップラー法が用いられるが,業務負担が大きいため臨床現場では多くの場合は施行されず,経過観察されていることが多い.今回われわれは,房室ブロック9症例についてQuickOptTMの有用性をACECULON miniⓇを用いて評価し,検討した.評価項目は一回拍出量(SV),一回拍出係数(SI),心拍出量(CO),心係数(CI),収縮性指数(ICON)とした.初期設定AVディレイに比べ,QuickOptTM後にsensed AVディレイ,paced AVディレイはすべての症例で有意に短...

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Published in心電図 Vol. 40; no. 4; pp. 228 - 234
Main Authors 松本, 景史, 三好, 美和, 三沼, 英彦, 中嶋, 耕兵, 南, 健太, 内田, 義也, 野村, 千穂美, 佐伯, 一, 有田, 陽, 長谷川, 新治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 23.12.2020
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Summary:心臓植込みデバイスにおけるAVディレイの至適化は,心拍出量を最大化するため重要である.AVディレイの至適化にはエコードップラー法が用いられるが,業務負担が大きいため臨床現場では多くの場合は施行されず,経過観察されていることが多い.今回われわれは,房室ブロック9症例についてQuickOptTMの有用性をACECULON miniⓇを用いて評価し,検討した.評価項目は一回拍出量(SV),一回拍出係数(SI),心拍出量(CO),心係数(CI),収縮性指数(ICON)とした.初期設定AVディレイに比べ,QuickOptTM後にsensed AVディレイ,paced AVディレイはすべての症例で有意に短縮した.その結果,SV,SI,CO,CI,ICONはすべての症例で有意に上昇した.結論として,QuickOptTMは簡易的に至適AVディレイへと調整可能であったと考えられ,至適AVディレイは初期設定AVディレイよりも短縮されることが示唆された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.40.228