結節性硬化症の皮膚病変に対するラパマイシン(シロリムス)局所外用療法

結節性硬化症は、全身の過誤腫、TANDなどの神経精神症状、白斑を主症状とする常染色体優性遺伝性の疾患で、その病態はmTORC1の恒常的活性化による。最近の病態解明と診断技術の進歩に伴って、結節性硬化症の罹患率や各症状の頻度はその様相が変化してきている。さらに、いままで外科的治療などそれぞれの病変に特化した対症療法のみであった本症の治療薬として、mTORC1の阻害剤が登場した。mTORC1の阻害剤は本症のすべての症状に有効であるが副作用も全身に及ぶ。そこで、このmTORC1阻害剤の副作用を減らす目的で、本症の皮膚病変に対してmTORC1阻害剤の局所投与薬/外用薬が開発された。結節性硬化症の現状と...

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Published inDrug Delivery System Vol. 33; no. 4; pp. 273 - 284
Main Author 金田, 眞理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.09.2018
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ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.33.273

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Summary:結節性硬化症は、全身の過誤腫、TANDなどの神経精神症状、白斑を主症状とする常染色体優性遺伝性の疾患で、その病態はmTORC1の恒常的活性化による。最近の病態解明と診断技術の進歩に伴って、結節性硬化症の罹患率や各症状の頻度はその様相が変化してきている。さらに、いままで外科的治療などそれぞれの病変に特化した対症療法のみであった本症の治療薬として、mTORC1の阻害剤が登場した。mTORC1の阻害剤は本症のすべての症状に有効であるが副作用も全身に及ぶ。そこで、このmTORC1阻害剤の副作用を減らす目的で、本症の皮膚病変に対してmTORC1阻害剤の局所投与薬/外用薬が開発された。結節性硬化症の現状と本症皮膚病変の治療薬mTORC1阻害剤の外用薬の効果、安全性および今後の問題点などを解説した。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.33.273