日本語学校の教職員が認識する在日外国人留学生の受療行動における課題

目的:日本語学校の教職員が客観的に認識する在日外国人留学生の受療行動における課題を明らかにする.方法:日本語学校の教職員10名に半構造化インタビューを行った.研究デザインは質的記述的研究とし,データは帰納的分析を行った.結果:在日外国人留学生は,【在日外国人留学生であることが理由で受診において不利益を生じる】【日本語能力の限界により受診時に真意がわからないままでの会話となる】こと,【受診の要否の判断も含めて教職員に頼らざるを得ない】ことが示された.また,【自国との社会的システムや慣習の違いから日本の一般的な受療行動になじみがない】ことに直面し,【経済的な余裕がない中で在留するため受療行動が負担...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 45; pp. 39 - 48
Main Authors 師岡, 友紀, 木村, 淸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本看護科学学会 2025
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.45.39

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Summary:目的:日本語学校の教職員が客観的に認識する在日外国人留学生の受療行動における課題を明らかにする.方法:日本語学校の教職員10名に半構造化インタビューを行った.研究デザインは質的記述的研究とし,データは帰納的分析を行った.結果:在日外国人留学生は,【在日外国人留学生であることが理由で受診において不利益を生じる】【日本語能力の限界により受診時に真意がわからないままでの会話となる】こと,【受診の要否の判断も含めて教職員に頼らざるを得ない】ことが示された.また,【自国との社会的システムや慣習の違いから日本の一般的な受療行動になじみがない】ことに直面し,【経済的な余裕がない中で在留するため受療行動が負担となる】ことが示された.結論:在日外国人留学生が医療機関を活用するにあたり,医療機関側の体制整備だけでなく,留学生および日本語学校への情報提供や医療職者による支援体制の整備の必要性が示唆された.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.45.39