近赤外イメージング法を用いた微小発熱体からの熱伝達の可視化と定量評価

本研究は近赤外イメージング法を用いて微小発熱体から水への熱伝達を可視化した実験的研究である。近赤外イメージング法は波長1150 nmにおける水の吸収係数の温度依存性に基づいている。水の入った厚さ(光路長)10 mmのセルの底に9 mm x 9 mm x 5 mm のフィン型ヒートシンクと誘導加熱プレートを設置し,テレセントリック照明・受光系によって吸光度画像を取得した。画像はフィン近傍での温度上昇を捉えるとともに、初期段階では顕著な自然対流は発生せず、高温領域の形状は保たれることを示した。その後、誘導加熱強度に応じて、分岐型の熱プルームが観察された。さらに、ヒートシンクからの放熱量と等価な、水...

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Published in可視化情報学会論文集 Vol. 43; no. 8; pp. 21 - 28
Main Authors グエン, テ アン, 角田, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 可視化情報学会 2023
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Summary:本研究は近赤外イメージング法を用いて微小発熱体から水への熱伝達を可視化した実験的研究である。近赤外イメージング法は波長1150 nmにおける水の吸収係数の温度依存性に基づいている。水の入った厚さ(光路長)10 mmのセルの底に9 mm x 9 mm x 5 mm のフィン型ヒートシンクと誘導加熱プレートを設置し,テレセントリック照明・受光系によって吸光度画像を取得した。画像はフィン近傍での温度上昇を捉えるとともに、初期段階では顕著な自然対流は発生せず、高温領域の形状は保たれることを示した。その後、誘導加熱強度に応じて、分岐型の熱プルームが観察された。さらに、ヒートシンクからの放熱量と等価な、水の単位時間当たりの熱量変化を吸光度から求めた。放熱量は時間によらず一定で、誘導加熱強度とともに増加する合理的な結果が得られた。
ISSN:1346-5260
DOI:10.3154/tvsj.43.21