実施時間が短く皮膚表面への圧が弱いタッチングによる生理的・心理的効果の検証

患者は健康な人と異なり, 身体的な苦痛から長時間, 同一体位を保つことが困難であり, 浮腫などにより皮膚表面に強い圧をかけられないことが多い. このような患者にも活用できるタッチングの手法を検討するために, 健常成人12名を対象に, 介入時間が5分間で皮膚表面の圧が10gf/cm2で, 3cm/秒の速さで実施したタッチングの生理的・心理的効果を検証した. その結果, タッチングの介入前と比較して, 介入直後と介入10分後について, 有意に皮膚温が上昇し, 脈拍数が減少した. 心理尺度を用いてリラクセーション効果を測定した結果, タッチングの介入前と比較して, 介入直後と介入10分後について,...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 24; pp. 9 - 16
Main Authors 岡本, 佐智子, 中村, 睦美, 光樂, 香織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.04.2025
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Summary:患者は健康な人と異なり, 身体的な苦痛から長時間, 同一体位を保つことが困難であり, 浮腫などにより皮膚表面に強い圧をかけられないことが多い. このような患者にも活用できるタッチングの手法を検討するために, 健常成人12名を対象に, 介入時間が5分間で皮膚表面の圧が10gf/cm2で, 3cm/秒の速さで実施したタッチングの生理的・心理的効果を検証した. その結果, タッチングの介入前と比較して, 介入直後と介入10分後について, 有意に皮膚温が上昇し, 脈拍数が減少した. 心理尺度を用いてリラクセーション効果を測定した結果, タッチングの介入前と比較して, 介入直後と介入10分後について, 有意にリラックス度が高まる方に数値が変化した. このことから, 短時間の弱い力で実施するタッチングのリラクセーション効果を示すことができた.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.24.0_9