当院における小児鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術:Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure(LPEC 法)の手術成績
【目的】近年,腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure: 以下LPEC 法)が普及し,本術式を導入した施設も増加した.当科での手術成績を検討しLPEC 法が標準術式になりうるか検討する.【対象と方法】当科で2011 年2 月から2015 年3 月までにLPEC 法を施行した305 例と2010 年1 月から2015 年3 月までに従来法を施行した213 例を対象とし,両術式における成績について後方視的に検討した.【結果】LPEC 法導入により,平均手術時間は男児両側症例で短縮し(P = 0.017),...
Saved in:
Published in | 日大医学雑誌 Vol. 77; no. 1; pp. 23 - 28 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大学医学会
2018
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0029-0424 1884-0779 |
DOI | 10.4264/numa.77.1_23 |
Cover
Summary: | 【目的】近年,腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure: 以下LPEC 法)が普及し,本術式を導入した施設も増加した.当科での手術成績を検討しLPEC 法が標準術式になりうるか検討する.【対象と方法】当科で2011 年2 月から2015 年3 月までにLPEC 法を施行した305 例と2010 年1 月から2015 年3 月までに従来法を施行した213 例を対象とし,両術式における成績について後方視的に検討した.【結果】LPEC 法導入により,平均手術時間は男児両側症例で短縮し(P = 0.017),女児片側症例では延長した(P < 0.001).合併症はLPEC 法5 例,従来法4 例認めた.その内,再発はLPEC 法2 例,従来法1 例であった.総合併症率,再発率に有意差は認めなかった( p = 1.000).LPEC 法施行時の対側腹膜鞘状突起開存は44.7%であった.【結論】LPEC 法は従来法と比べ合併症率は劣らず,鏡視下に腹膜鞘状突起の確実な閉鎖を確認でき,小児鼠径ヘルニアに対する標準術式になりうると考える. |
---|---|
ISSN: | 0029-0424 1884-0779 |
DOI: | 10.4264/numa.77.1_23 |