我が国の開業医を対象としたかかりつけ医制度に関する意見調査の分析

医師を対象にかかりつけ医機能に関する意見調査をWEBによって行った。調査期間は令和4年4月1日から5月31日である。27,707件の施設に調査への参加依頼状を送付し、1,286件(4.6%)から有効回答を得た。年齢階級別では60-69歳が33%ともっとも多く、次いで50-59歳(32%)、40-49歳(17%)となっていた。かかりつけ医機能として、最も重視されていたのは「他の医療機関への患者の紹介」(89%)で、次いで「主治医意見書の作成」(85%)、「他の医療機関からの患者の逆紹介」(84%)、「予防接種」(82%)、「特定健診」(71%)、「往診」(70%)なっていた。この結果を「現在行っ...

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Published in日本ヘルスサポート学会年報 Vol. 8; pp. 25 - 38
Main Authors 得津, 慶, 村松, 圭司, 松田, 晋哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘルスサポート学会 2023
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ISSN2188-2924
DOI10.14964/hssanj.8.25

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Summary:医師を対象にかかりつけ医機能に関する意見調査をWEBによって行った。調査期間は令和4年4月1日から5月31日である。27,707件の施設に調査への参加依頼状を送付し、1,286件(4.6%)から有効回答を得た。年齢階級別では60-69歳が33%ともっとも多く、次いで50-59歳(32%)、40-49歳(17%)となっていた。かかりつけ医機能として、最も重視されていたのは「他の医療機関への患者の紹介」(89%)で、次いで「主治医意見書の作成」(85%)、「他の医療機関からの患者の逆紹介」(84%)、「予防接種」(82%)、「特定健診」(71%)、「往診」(70%)なっていた。この結果を「現在行っている、または過去に「行ったことがあるもの」に対する回答と比較すると、ほとんどの項目で、ほぼ同じ割合となっていた。「ご自身はかかりつけ医機能を果たしていると思われますか」という質問に対しては全体では「十分果たしている」、「どちらかと言えばはたしている」が79%であった。かかりつけ医機能の診療報酬における評価については、全体では「かかりつけ医であることを総合的に評価(施設基準のように個別の診療行為ではなく体制につくもの)」が36%、「かかりつけ医機能と考えられる行為を個別に診療報酬で評価」が57%となっていた。本分析の結果から、医師の多くは自身がかかりつけ医機能を果たしていると考えており、また行われている医療サービスの内容からもその機能を十分果たしていると結論できる。これは、財政当局や国民の認識と異なっており、この認識のギャップの原因について検討することが今後の課題であると考えられる。
ISSN:2188-2924
DOI:10.14964/hssanj.8.25