早期アルツハイマー病患者における側頭葉内側部の萎縮度とリバーミード行動記憶検査の得点との相関について ミニメンタルテストと比較して

【要旨】 VSRAD(voxel-based specific regional analysis system for Alzheimer’s disease)は頭部MRIを用いた、嗅内皮質、扁桃、海馬を含む側頭葉内側部の萎縮からアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)を早期診断するための補助ツールである。この研究は、日常生活場面での記憶機能検査であるリバーミード行動記憶検査(Rivermead Behavioural Memory Test:RBMT)とVSRADの萎縮度との相関関係を明らかにすることを目的とした。ADの進行度を表すFAST(functional a...

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Published in認知神経科学 Vol. 22; no. 2; pp. 98 - 104
Main Authors 永山, 富子, 中山, 拓弥, 佐藤, 健士郎, 梁, 成勲, 山口, 修平, 永山, 正雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 認知神経科学会 01.01.2021
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Summary:【要旨】 VSRAD(voxel-based specific regional analysis system for Alzheimer’s disease)は頭部MRIを用いた、嗅内皮質、扁桃、海馬を含む側頭葉内側部の萎縮からアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)を早期診断するための補助ツールである。この研究は、日常生活場面での記憶機能検査であるリバーミード行動記憶検査(Rivermead Behavioural Memory Test:RBMT)とVSRADの萎縮度との相関関係を明らかにすることを目的とした。ADの進行度を表すFAST(functional assessment stage)分類のAD境界状態(FAST3)及び軽度AD(FAST4)と診断した早期AD患者(59名)において、VSRADの萎縮度とリバーミード行動記憶検査との相関解析を行い、全般的な認知機能の検査であるMini-Mental State Examination(MMSE)と比較した。その結果、VSRADの萎縮度とRBMTの相関関係は、VSRAD萎縮度とMMSEとの相関関係よりも、強い負の相関関係を示した。以上のことから、RBMTが早期AD患者の検出に有効である可能性が考えられた。
ISSN:1344-4298
1884-510X
DOI:10.11253/ninchishinkeikagaku.22.98