平常時の口腔ケア衛生材料備蓄に関わる要因の検討 第一報 成人期を対象としたインターネットアンケート調査の分析
「I. 緒言」2011年の東日本大震災, 2016年に熊本県と大分県で発生した地震は約18万人の避難者を記録し, わが国の自然災害への防災・減殺に向けた備えの必要性が示唆された. このような現状は, 住民の防災意識を高めているが, 個人レベルの災害時の非常食備蓄率が4割程度, 世代別備蓄率に格差があることを考えると, 実際に災害が発生した場合多数の地域住民が, 衛生材料・食など物資不足に悩む生活を送ることが想定される. また, 避難生活が長期化するとストレスや疲労, 低栄養と環境の悪化による感染症の蔓延など二次的健康被害が生じることが懸念される. 感染予防には早期からの衛生管理が望ましいが,...
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Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 74; pp. 18020 - 0 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
2019
日本衛生学会 |
Subjects | |
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Summary: | 「I. 緒言」2011年の東日本大震災, 2016年に熊本県と大分県で発生した地震は約18万人の避難者を記録し, わが国の自然災害への防災・減殺に向けた備えの必要性が示唆された. このような現状は, 住民の防災意識を高めているが, 個人レベルの災害時の非常食備蓄率が4割程度, 世代別備蓄率に格差があることを考えると, 実際に災害が発生した場合多数の地域住民が, 衛生材料・食など物資不足に悩む生活を送ることが想定される. また, 避難生活が長期化するとストレスや疲労, 低栄養と環境の悪化による感染症の蔓延など二次的健康被害が生じることが懸念される. 感染予防には早期からの衛生管理が望ましいが, 歯科保健医療支援が活動を開始できるのは, 早くても被災数日後になる. このため, 公的支援の早期開始と個人レベルの衛生材料の備蓄が第一と考えられる. そこで, 本研究は, 備蓄率が低い成人期を対象として平常時の災害時用口腔ケア衛生材料の備蓄の現状を調査し, 災害に備えた備蓄支援の在り方について検討を行った. |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.18020 |