半規管温度刺激と頸部動作による筋電図の変化 上肢誘発筋電図F波と後頸部表面筋電図による検討

めまいに随伴する頸・肩や四肢の筋の凝りの発現に運動神経の興奮性の変化が関与すると考え、誘発筋電図F波と表面筋電図を指標に、半規管温度刺激と頸部動作による運動神経の興奮性の変化を検討した。半規管温度刺激のめまい発現時に、F波は刺激側・非刺激側で興奮性が高まる変化がみられ、後頸部表面筋電図は、最大随意収縮の刺激側・非刺激側で興奮性が低下する例があった。頸部動作によるF波の変化は小さかったが、後屈位は興奮性が高まる傾向がみられ、遮眼文字の偏書角度も中間位との差は後屈位が最も大きかった。めまい症例のF波は、鍼治療前は興奮性が高かったが、めまいの消失とともに低下した。 以上の結果から、めまいでは運動神経...

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Published in全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 50; no. 3; pp. 439 - 449
Main Authors 山本, 利護彦, 小岩, 信義, 木村, 億, 久住, 武, 渡辺, 尚彦, 鳥澤, 伸, 田端, 太一, 町田, 雅秀, 所, 数樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 全日本鍼灸学会 01.08.2000
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ISSN0285-9955
1882-661X
DOI10.3777/jjsam.50.3_439

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Summary:めまいに随伴する頸・肩や四肢の筋の凝りの発現に運動神経の興奮性の変化が関与すると考え、誘発筋電図F波と表面筋電図を指標に、半規管温度刺激と頸部動作による運動神経の興奮性の変化を検討した。半規管温度刺激のめまい発現時に、F波は刺激側・非刺激側で興奮性が高まる変化がみられ、後頸部表面筋電図は、最大随意収縮の刺激側・非刺激側で興奮性が低下する例があった。頸部動作によるF波の変化は小さかったが、後屈位は興奮性が高まる傾向がみられ、遮眼文字の偏書角度も中間位との差は後屈位が最も大きかった。めまい症例のF波は、鍼治療前は興奮性が高かったが、めまいの消失とともに低下した。 以上の結果から、めまいでは運動神経の興奮性に変化が生じていることが考えられ、めまいに伴う筋の凝りの発現と何らかの関係がある可能性が考えられた。
ISSN:0285-9955
1882-661X
DOI:10.3777/jjsam.50.3_439