起炎物質のマウス皮膚血管透過性亢進作用における内因性一酸化窒素の役割
炎症メディエーターにより血管透過性が亢進することはよく知られている1~3). そのメカニズムは, 炎症で生じたブラジキニンやヒスタミンが細静脈内皮細胞の受容体に結合することにより, 内皮細胞が部分的に収縮し, その結果形成される細胞間隙を通って, 血漿蛋白質が血管外に漏出するためと考えられている. さらに, 生じたプロスタグランジン(PG)E2やプロスタサイクリン(PGI2)は, 細動脈拡張作用により, ブラジキニンやヒスタミンの血管透過性亢進を増強するといわれる45). 血管内皮細胞は, たんに血漿成分が血管外に漏出するのを防ぐバリアーとしてのみならず, PGI2, エンドセリン, 血管内皮...
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Published in | 炎症 Vol. 15; no. 2; pp. 155 - 160 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本炎症・再生医学会
10.03.1995
日本炎症学会 |
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Summary: | 炎症メディエーターにより血管透過性が亢進することはよく知られている1~3). そのメカニズムは, 炎症で生じたブラジキニンやヒスタミンが細静脈内皮細胞の受容体に結合することにより, 内皮細胞が部分的に収縮し, その結果形成される細胞間隙を通って, 血漿蛋白質が血管外に漏出するためと考えられている. さらに, 生じたプロスタグランジン(PG)E2やプロスタサイクリン(PGI2)は, 細動脈拡張作用により, ブラジキニンやヒスタミンの血管透過性亢進を増強するといわれる45). 血管内皮細胞は, たんに血漿成分が血管外に漏出するのを防ぐバリアーとしてのみならず, PGI2, エンドセリン, 血管内皮由来弛緩因子または一酸化窒素(EDRF/NO)の産生, 放出に影響し, 血管トーヌスの調節にも関与する6~8). しかし, 急性炎症時にNOが生体内でどのように作用し, さらにPGE2やPGI2とどのように関連しているかについての研究はほとんどない. 本研究では, 5種類の炎症性メディエーター[血小板活性化因子(PAF), セロトニン(5-HT), サブスタンスP, ヒスタミン, ブラジキニン]による炎症反応に, 内因性NOまたはエイコサノイド(特にPGE2)がどのように関与するかについて検討した. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.15.155 |